平熱高めは元気な証!汗をかいて育つ体

いつも体が熱い…これって大丈夫?
「抱っこすると、いつもぽかぽか温かい」 「ほんの少し走っただけで、髪の毛が濡れるほど汗びっしょりになる」 「平熱が37℃前後あるけれど、うちの子は熱が出やすい体質なのかしら…」
日々の育児の中で、お子さんの体温や汗の量についてこのような心配を感じたことはありませんか? 特にチャイルドシートから降ろしたときや、お昼寝明けに枕がしっとり濡れている姿を見ると、「こんなに汗をかいて体に不調はないのかな」「夏場や日差しの強い日は、外で遊ばせるのを控えたほうがいいのかな」と迷ってしまうお母さん・お父さんも多いのではないでしょうか。
小さい子の場合、どうしても少しの変化も気になりますね。大丈夫なこともありますので過剰に心配なさらず、まずは子どもたちの体について一緒にみてみましょう。
お子さんの平熱が大人より高めなのは、決して珍しいことではなく、多くのお子さんにごく普通に見られる現象だということです。乳幼児は体重あたりの熱生産量が多いため、もともと体温が高めです。また、体温調節機能が未発達のためちょっとの活動で熱が上がりやすいのです。
乳幼児の平熱は36.5℃〜37.4℃程度といわれ、発熱のひとつの基準とされるのは「37.5℃以上」となっています。平熱が37℃前後あるというのは病気や異常ではなく、正常な範囲内なのです。
子どもたちは新陳代謝が非常に活発で、元気に動き回ったりするために、体内でたくさんの熱を産生しています。乳幼児の体温は環境の温度が高ければ上がりやすく、低ければ下がりやすい特徴をもっています。そのため、「体がいつも温かい」「少し動いただけで熱を帯びる」というのは、子どもたち本来の姿です。
3歳までの発汗体験が「一生の体温調節力」を育てる
実は、子どもたちの体が温かく、汗をたくさんかくことには、これからの健やかな成長にとって重要な意味があります。
皮膚生理学や小児発汗に関する学術的な研究(日本温泉気候物理医学会や日本小児発汗研究など)によると、
人間が体温を下げるために実際に汗を出す器官である「能動汗腺」の数は、生まれた瞬間から決まっているわけではありません。生後間もない時期から3歳頃までの温熱環境や、実際に汗をかく体験の積み重ねによってその数が確定すると言われています。
体内で作られた余分な熱は、汗が皮膚の表面で蒸発する際の発熱(気化熱)によって効率よく体外へ逃がされます。つまり、幼少期に適切な環境のもとでしっかりと汗をかく経験を重ねることで、身体の熱をスムーズに放散し、急激な気温変化や猛暑の中でも自発的に体温を一定にコントロールできる「強い体の土台」が作られていくのです。
平熱が少し高めで汗をよくかくのは、決して体質上の弱さではなく、まさにいま体温調節機能が順調に発達し、心身ともにたくましく育っている頼もしい証です。
厚生労働省の『保育所保育指針』および文部科学省の『幼稚園教育要領』における領域「健康」では、身体運動とともに十分な休息や水分補給を行い、自ら健康で安全な生活を作り出す意図的な環境づくりの大切さが明確に示されています。 汗をかくことを過剰に心配して制限するのではなく、「生涯にわたって体を守る大切な力を一生懸命育てているんだな」と捉えてみてください。
大洞こども園での取り組み:遊びと安全が両立する環境づくり
大洞こども園の子どもたちは広い園庭を全力で駆け回ったり、砂場で仲間と協力して大きな山や川を作ったり…太陽の光を浴びながら、目を輝かせて夢中になって遊んでいます。額や首筋にはキラキラとした汗の粒が浮かび上がります。子どもたちが思う存分身体を動かし、遊び込めるよう、脱水症状や熱中症の危険を未然に防ぐための環境整備や、一人ひとりの体調変化に合わせた細心の注意を払っています。
園内環境の面では、園庭に根を張る大きな樹木が作る心地よい自然の木陰に加え、広範囲をカバーする開閉式大型サンシェード、その下には人工芝が敷かれ、ゆったりと腰をすえて遊ぶ事ができます。
また、園内にはウオーターサーバー(逆浸透膜浄水器)が1階と2階に設置されており、いつでも冷たい水を飲む事ができます。子どもたちはのどが渇いたタイミングで自発的に水分補給へと向かえる導線を確保しています。
大洞こども園では、「心身ともにたくましく生き生きとあそぶ子」という園目標のもと、子どもたちが健康的かつ安全に過ごせるよう環境構成を大切に整えています。

私たち保育士が気をつけていること・・・「無言のサイン」
・額や髪の生え際の汗の出方、皮膚の乾燥やツヤの具合
・頬の赤みや顔色の変化、体内に熱がこもっていないかという触感
・視線の動き、呼びかけに対する反応の速さ、動作のふらつきや急な減速
・言葉には出さない疲労感や、普段と異なる集中力の低下
一見すると元気いっぱいで遊んでいるお子さんであっても、子どもたちの全身から発せられる「無言のサイン」を常に見落とさないよう気を配っています。疲れが限界に達してしまう前に、個別の体調や体力に合わせて「○○ちゃん、日陰で一緒にお水を飲もうか」「少しベンチで涼んでいこうね」「ハンカチで汗を拭こうか」とそっと優しく声をかけ、休息を促します。
「先生、お水飲んでくるね!」「ちょっと日陰で遊んでくるね」 そんな会話が、園庭のあちこちから自然に聞こえてくるのも大洞こども園の大きな特徴です。単に大人からの指示に従わせるのではなく、子ども自身が「のどが渇いたな」「少し体が熱いから休もう」と自分の体の声に耳を傾け、自発的にケアできる力を育んでいます。また、「汗をかいたら着替える」という事を通し身の回りを清潔にするなどの生活習慣を習得していきます。子どもたち一人一人が快適に生活できるよう専門性を活かした手厚い見守りのもとで、子どもたちは安全かつ快適に「汗をかく力」を高めています。
「あそび」を通して育む自律的な身体づくり
思い切り遊ぶことと、心地よく休むこと。このメリハリを自分自身の体験を通して感じ取り、身体の欲求に応える経験こそが、将来にわたって自分の健康を自分で守る「自律的な身体づくり」の根幹となります。
子どもたちが夢中で遊び、しっかりと汗をかき、水分を補給して気持ちよく休息をとる——。 この一連の健やかなリズムを毎日の園生活の中で繰り返すことで、夏の暑さや冬の寒さにも負けない、しなやかでたくましい体が徐々に形作られていきます。子どもたちの生命を守り、快適にそして健康で安全に過ごすことができるよう 教職員一同、子どもたちの生き生きとした満面の笑顔と、日々たくましさを増していく成長の姿を傍らで見守れることに、大きな喜びとやりがいを感じています。
ご家庭でできる「汗と上手に付き合う」ヒント
ご家庭でお子さんが汗をたくさんかいているとき、「どうケアをしてあげたら一番いいのだろう」と対応に迷うこともありますよね。毎日の生活で取り入れやすい、いくつかの工夫をご紹介します。
- 汗の拭き方と着替えの工夫
・柔らかいタオルで擦らずに優しく押さえるように拭き取ってあげましょう。この時、「濡れタオル」で拭くのが効果的です。(汗の成分や汚れも一緒に拭きとってくれます)
・背中に「汗取りガーゼ」を1枚挟んでおき、汗をかいたらサッと抜き取る方法もおすすめです。 - こまめな水分補給のタイミング
・ちょこちょこ飲みを意識してみましょう!!「遊ぶ前」「遊んだ後」「お風呂上がり」「起床時」など、生活の区切りごとに水分を一口二口飲む習慣をつけるとよいでしょう。一度にたくさん飲ませる必要はありません。 - エアコンの設定と室内の風通し
・エアコンを上手に活用。設定温度の目安は26〜28℃。扇風機やサーキュレーターを併用して部屋全体の空気を循環させると快適に過ごせます。室温を下げすぎると汗腺の働きが鈍くなってしまうことがあります。 - お風呂でリラックス&汗腺のトレーニング
・バスタイムも大切なケアの時間です。 ぬるめのお湯(38〜40℃程度)にゆっくり浸かることで、副交感神経が優位になり自律神経のバランスが整います。
温まることで汗腺の開口がスムーズになり、汗をかきやすい体質づくりを優しくサポートしてくれます。

汗をしっかりかいて、たくさん体を動かして、美味しくご飯を食べて、夜はぐっすり眠る。
このシンプルで生き生きとした日常のつみ重ねが、子どもたちのたくましい体と豊かな心をしっかりと育んでいきます。
いつでも頼れる相談相手として
子育てをしていると、一人で悩んだり、疑問を抱えたりしてしまうこともありますよね・・・
大洞こども園は、当園に通われているご家庭はもちろんのこと、地域ですくすくと育つすべてのお子さんと、日々子育てに奮闘されている保護者の皆様の温かい味方でありたいと強く願っています。
子どもの成長スピードや体質は、一人ひとり違って当たり前です。違いがあるからこそ、その子らしさが輝きます。日々の変化を温かく受け止めながら、焦らずお子さんのペースを一緒に見守っていけたら嬉しいです。
園と家庭、そして地域全体が手を取り合い、温かい眼差しで子どもたちの伸びやかな成長を応援していきましょう。子育ての悩みや「ちょっと話を聞いてほしいな」…など、どんなことでも構いません。
どうぞいつでもお気軽に園にお声をかけてくださいね。