子どもの世界を彩る「色彩」の魔法
子どもたちが教えてくれる、きらめく色の世界

園庭の隅に咲く小さなお花を見つけて「先生、これ見て!かわいいピンク色!」と目を輝かせる子どもたち。 あるいは、お絵描きの時間にお気に入りの青いクレヨンを握りしめ、画用紙いっぱいに青い世界を広げる姿。
日々子どもたちと過ごしていると、彼らが本当に豊かな色の世界に生きていることに気づかされます。
ご家庭でも、お子さまの色のこだわりに驚かれることはありませんか?
どうしていつもこの色ばかり選ぶのだろう。とか、お洋服の組み合わせがとっても個性的!など、そんな我が子の様子を見て、微笑ましく思うと同時に、子どもたちが色をどのように感じているのか、少し不思議に思うこともあるかもしれませんね。
色を感じる心が、生き生きとした表現へとつながる
子どもたちにとって、色彩は単に目に見える情報というだけでなく、自分の心や感情を表現するための大切な言葉のようなものです。 乳幼児期に五感でたくさんの刺激を受けることは、心と体の健やかな発達にとても大切な役割を果たしているといわれています。
国の教育の指針である幼稚園教育要領や認定こども園教育・保育要領でも、生活の中で様々な色や形、手触りに気づいて心を動かし、それを自分なりに表現していくことで、豊かな感性や表現する力を養うことが大切にされています。
五感を使って身の回りにある様々な色を全身で感じ取ることは、子どもたちの感性の土台を作ることにつながるのです。 たくさんの美しい色に出会い、心がワクワクする経験の積み重ねが、子どもたちの生き生きとあそぶ力、そして自分らしさをのびのびと表現する力を大きく育てていきます。
大洞こども園で出会う、あふれる色の不思議

大洞こども園では、子どもたちが日常のあそびの中で自然に、そして自分から進んで色彩を楽しめる環境を大切にしています。
たとえば、子どもたちが大好きな色水遊び。 赤、青、黄色の絵の具を溶かした水をペットボトルに入れて、「これとこれを混ぜるとどうなるかな?」と実験が始まります。
「あ!紫になった!ぶどうジュースみたい!」「こっちはメロンソーダだよ!」と、偶然生まれる新しい色に大興奮。染め物あそびでは何重に折った和紙に様々な色の絵の具をつけます。そっと広げてみると色と色が混じり合いもともとなかった色が浮かんできます。そんな時の子どもたちの表情は驚きと喜びにあふれています。単に頭で「赤と青を混ぜると紫になる」と覚えるのではなく、自分の手で混ぜ、変化を目で見て、心が動く瞬間のワクワク感こそが、何よりの学びです。
また、日々の自然との出会いも、子どもたちの感覚を優しく刺激してくれます。 私たちの暮らす岐阜県には、五感を心地よく揺さぶる美しい自然がたくさん息づいています。 園の近くをゆったりと流れる長良川もその一つ。じっと眺めてみると、晴れ渡った日の青い川面、雨上がりの少し濁った水、そして季節の移り変わりによって、毎日水の色が違っていることに気づかされます。
こうしたダイナミックな自然の変化は、お散歩の途中でもあちこちで見つけることができます。桜の淡いピンク、夏の青々とした緑、秋のグラデーション豊かな落ち葉。子どもたちは「昨日より葉っぱが赤くなっているね」「木にくっついている葉っぱは茶色だね」と、色の移り変わりから季節の歩みを敏感に感じ取っています。こうした本物の体験を通じて、子どもたちの感性は日々、豊かに耕されていきます。
ご家庭で色の魔法を一緒に楽しむヒント
子どもたちの豊かな感性を育むために、何か特別な準備をする必要はありません。 近くの公園にお出かけしたときや、いつも通る道沿いの花壇など…空を見上げてみるだけでもいいですね。でも、「今日はどんな色があるかな?」とお子さまと一緒にすてきな色を見つけるだけで十分です。日常のちょっとしたおしゃべりの中に、色を取り入れてみませんか。
たとえば、お食事のときに「りんご、美味しいね」を「真っ赤なりんご、美味しそうだね」と言い換えてみたり、「今日の空は吸い込まれそうな青色だね」と語りかけてみたり。
大人が言葉にする色彩豊かな表現が、子どもの語彙と感性をそっと刺激します。
また、子どもが「紫色の太陽」や「緑色のウサギ」を描いたとき、大人の基準で「太陽は赤だよ」と正解を教える必要はありません。「きれいな紫色だね、どんなお日様なのかな?」「優しい緑色だね」と、子どもが見ている世界をそのまま受け止めてあげてください。会話もどんどんふくらんでいくでしょう。自分なりの表現を認められた経験が、自己肯定感と、表現する楽しさに直結していきます。
もし「青い服しか着たくない!」と言い張ったり、お絵描きで黒ばかり使う時期があったりしても心配ありません。それは、その時の子どもにとって、その色が心を落ち着かせてくれたり、特別なエネルギーをくれたりするお守りのようなものだからです。
成長とともに使う色は自然と広がっていきます。安心してそのこだわり、エネルギーの源を見守ってあげてくださいね。
心身ともにたくましく、生き生きとあそぶ子に

子どもの瞳に映る世界は、私たちが思っている以上にカラフルで、驚きに満ちています。
身の回りの様々な色に心を動かし、それを自分の力で表現する楽しさを知った子どもたちは、きっと自分自身や周りの人たちの個性(カラー)も同じように大切にできるようになるはずです。
大洞こども園では、これからも子どもたち一人ひとりが持つ自分だけの色を大切に育みながら、心身ともにたくましく、生き生きとあそべる毎日を一緒に創り出していきたいと考えています。
今日、お子さまはどんな色に出会ったでしょうか。
お迎えのときや夕食のテーブルで、ぜひ今日のすてきな色について、お話を聞いてみてくださいね。